ティップランの基本的な釣り方TIPRUN

ティップラン ティップランエギング tiprun 釣り方

ティップランの基本的な釣り方について、順番に説明させていただきたいと思います。

 

 

 釣り方編 

 

1、エギをキャストまたは、落とす

落とす方向は、船の流れる方向とは逆の場所です。
船が流れている場合は足元、流れていない場合は少しキャストしてください。

 

 

 

2、フリーフォールで素早く底を取ります

エギは着水後、出来る限り早く底を取るために、スプールから手でラインを送ってやり、ロッドをあおりながら、ラインを出していきます。
エギが着底すると海面上にあるラインの出が止まります。注意点としては、船が常に流れ続けているので、ラインが止まった瞬間を見逃さない事です。少し糸フケを出してやると、着低の瞬間が分かりやすくなります。

 

 

 

3、バットで引き抵抗を感じながら巻きジャクリ

エギの着底を確認したらリールで糸ふけを取り、バット部分を利用した巻きジャクリを水深に合わせて 5~10回程度入れ、イカを誘います。
この際、大げさにシャクる必要はありません。海面に対し、ロッドが水平方向よりやや下側になる位置からスタートし、そこから60度程度動かすシャクリ幅でリズム良くジャークを入れればOK。エギングをしているというより、ジギングの巻きジャクリに近いイメージです。
向かい風のなかでシャクリを入れるので、大きくシャクリ過ぎると穂先部分でラインを拾い、破損につながりかねないので注意が必要です。

 

 

 

 

4、エギが一定の水深を平行移動できる様に、ロッドをコントロール

シャクリ後は、ティップが腰よりも低くなる位置でストップ。
この時のティップとラインの角度は90度前後を保つようにした方が、アタリを見極めやすくなります。穂先部分は、船が流れることでラインとエギに抵抗が掛かり、少し曲がった状態になります。船が動いているので、エギも一 緒に水平移動している事になりますが、この時が、イカがエギを抱きにくる時(最も注意しなければならない瞬間)。ティップ部に神経を集中させて、時間にして約5~10秒止めてください。
活性の高いイカが近くにいれば、エギのフォール中に迫ってきており、シャクリを止めてポーズに入った瞬間にアタリが出ます。アタリの出方は、船が理想的に流れていれば、ティップが「ピン」と真っ直ぐに戻り、船が速く流れ過ぎている場合には、穂先が入る様なアタリが多くなります。
アタリがあれば、すぐにアワセを入れ、アタリがなければ、ティップを水平に動かして最後の誘いをかける。これでアタリがなければ再度、エギを底まで落とし、同様の動作を繰り返してください。
慣れるまでは、2~3回程度でこまめにエギを回収して再投入する事をおすすめします。

 

 

 

 

5、ティップランのシークレット

以上1~4が、ティップラン釣法の基本的な動作になりますが、最後に講習会などに参加される初心者の方にいつも行っているアドバイスをご紹介しましょう。
初心者の方でもこの点を改善するとすぐに釣れるようになる場合が多いです。

 

①底取りができていない。
何よりも、底が取れないと釣果を望む事ができません。
釣れない方は意外と底取りがキッチリ分かっていない事が多いようです。周りの人と同時に同じエギをフォールさせて、自分だけがあまりにも早くシャクリ始めている場合は要注意です。
アオリはフォール中から、エギを追ってきています。せっかく、追ってきたアオリがエギを抱こうとしているのに、エギが着底したままだとヒット率は大きく下がります。着底した瞬間に次の動きに入る事により、アオリの活性は非常に高くなります。

 

②最初のアタリを見逃している。
①の動作の後に、ロッドを止めてアタリを待ちますが、実はこの瞬間、初心者の場合、アタリを見逃している事が大変多いようです。エギを止めてからティップにテンションを掛けるまでの動作が遅いと、アタリを待つまでの間、穂先のアタリに気づかず、そのままで待ってしまいます。
驚くほど止めた瞬間にアタリますので、穂先の変化を感じたら即アワセすることが非常に重要です。
ティップが戻らず、押さえ込むアタリしか出ないという方は、最初のアタリを見逃している場合が結構多いのも事実です。

活性が高いシーズン初期(10~11月)のアオリなら、最初のアタリを見逃しても、そのまま、エギを抱き、穂先が入り、アオリは釣れますが、冬場(12月下旬~2月)には、最初のアタリだけで、次の穂先の入るアタリが出ない場合が多く、今までの経験上、最初のアタリを取る事により、釣果に大きな差が出ます。このアタリを取れる様になると、釣果は倍以上になる事は確実です。
アタリの多い12月上旬までに、数を釣り、アタリに馴れる事が上達する秘訣です。

 

③ティップランではなく、ロングラン。
シャクった後、エギを再度フォールさせずに、永遠と流している方も多いようです。ジギングと同じで、何度も誘いをかける事でアオリの活性を上がりますが、そのままの場合、船は流れていますので、水深も変化します。
永遠に一定の水深なら、この釣り方も有りかもしれませんが、ティップランの場合、ボトムに変化のある場所を流す場合が多く、ロングランの場合は、全く違う水深を釣っている可能性が高く釣果が出ない場合があります。おおよそ止める時間は5~10秒です。

 

④一番重要な事
この釣り方で使用するエギは通常のエギより重く、フリーフォールでアオリがエギに乗る確立は極めて低いです、必ず乗せる間を与えるという事が重要です。
乗せる間とは、すなわち、エギをシャクった後のステイ(止める)タイミングです。
今までのエギングはフリーフォールで乗せるというのが一般的であったと思いますが、ティップランでは、フォールで乗せるという考え方は絶対に捨ててください。
フォールではなく、ステイで釣るすなわち「止めて釣る」という事です。
実は、これを書いている私自身が最初、チームの中で一番理解出来ていませんでした・・・。

 

 

 

 

 船の流し方編 

 

どてら流しがティップランエギングを優位にする。

 

 

水深10~40m超のディープ(深場)を余裕で攻略可能。
今まで感じられなかったアタリを視覚的に捉えられる!!

 

ティップランは、中オモリを使用しないボートエギングスタイルです。
重量のあるエギを使用する事で、場所によっては40m以上ものディープエリアを攻める事が可能です。
特筆すべきは、ロッドの穂先部分でアタリを見極めるという事。
今まで捉える事の出来なかったアタリを視覚で判断できます。

 

 

常にラインテンションをかけられて効率も良い
「どてら流し」がおすすめ!!

 

「どてら流し」とは、風や潮流にまかせて船を流す事だが、船が図の様に横方向に流れるように調整する。
1~2名であれば船尾でも出来るが、3~4名で釣りをするとなると、横方向でなければ皆でティップランエギングを楽しむ事は出来ない。当然ながら、魚探などで地形を把握してイカのいそうなポイント上を流れるようにする事。

 

 

 

 

 巻きジャクリ 

 

イカは「ステイ」で抱かせる。

 

中オモリは使用せず、深場もエギ単体で沈めます。エギが重いと沈下が速く、フォールではイカが抱きにくい。そこでシャクった後に流される船の動きを考慮しながら一定のテンションを保って、エギを水中で水平移動させて抱かせる。これがすこぶる効きます。

 

 

エギを底まで沈めたらリズミカルに巻きシャクリを5~10回程度入れ、イカに誘いを掛け、エギが一定層を水平移動するようにロッドの角度を保つ。これが、抱く間を与えるセクションになる。イカの活性が高い場合は、エギが水平移動に移った瞬間に抱いてくる場合が多い。イカの活性が低い場合には、少しエギを見せる時間を長くする。

 

 

 

重量のあるエギは、フォールスピードも速すぎて、よほど活性あ高くない限りは、フォールでエギを抱く事はない。ただし、近くにイカがいた場合には、エギを追ってきている事が多いので、気を抜かない様にする。ティップランエギングは、エギがフォールしている時に乗せるのではなく、エギが水平移動している時に乗せる釣り方である。

 

 

 

イカがエギを攻撃した瞬間にサオ先が「プンッ」

 

シャクリ後、エギを水平移動させると、サオ先はエギの重みと水の抵抗によるテンションで曲がる。その状態でイカが触れると一瞬、テンションが抜け、曲がっていたサオ先が戻る。これがサオ先でとるティップランの仕組み。

 

 

バッド部でシャクるのがコツ。
サオを立てるようにシャクると、サオ先が曲がってエギに力を伝達出来ない。それどころか、度を超すと破損の危険性も。
バッド部を上に平行移動させるようにシャクれば、エギにパワーをしっかり伝え、ダートを引き出せる。
振り幅の少ない分は、ひとシャクリ一回転の巻きでカバー。

 

 

 

 

 低活性時のティップラン 

 

低活性の晩秋以降は「カケアガリ」がキモ。

 

 

水温が下がって深場に落ちて、一度エギにちょこっと触ったら、それでお終い。それは、今までのボートエギングでは、まず獲れないイカ。しかし、ティップランエギングだと小さなアタリも逃さないので、それが獲れるのである。慣れてくるとイカが後ろにつくと水流が乱れて、サオ先に違和感が出るのもわかるようになる。これはジギング経験者なら特に理解出来ると思うが、ショアのルアーフィッシングにおいても同様、この意味を理解できるであろう。研ぎ澄まされた第六感である。また、活性が低い時季は、カケアガリなど、イカがいそうな場所を丁寧に探り、ステイを長めにしてエギを見せることで釣果が上向くことが多い。

 

 

 

両肩もしっかりと探ってみよう

 

冬は、深場のカケアガリが一級スポット。カケアガリの上と下の角を中心に丁寧に探ろう。理想はカケアガリに沿って船を流すこと。横切るように流れる時は、何度も流し直し。風任せ・潮任せのどてら流しには、弱点もあることを覚えておこう。

 

掛けアワセるので、触腕だけのフッキングが多発することも多い。すなわち、今までとれなかったアタリをこの釣り方によってとる事が可能になった証。これで活性の低いイカも獲れます!

 

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